とりぶみ
実験小説の書評&実践
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    大塚晩霜
    原作/草稿担当。

    大塚晩霜
    推敲/編集担当。

    大塚晩霜
    昼寝担当。



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書物の国の冒険   (2007/11/22)


まえがき

 アリスは大女優。『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』に主演した子役俳優だと言えば、誰でも「ああ、あの女の子か」とうなずくでしょう。知名度抜群、今もなお現役。世界中から引っぱりダコの売れっこ役者なのです。
 ルイス・キャロルの原作で初舞台を踏んで以来、物語は世界各国で翻訳され、映画化され、その都度アリスはチャーミングな演技で観客を魅了し続けてきました。彼女の出演回数は、おそらく1000を下回らないでしょう。なにせ日本だけでも七十以上の異なった翻訳が出版されているくらいですから。そこに絵本やアニメやレコードなどを加えたら、膨大な作品数になるのは明らかです。
 この本は、そんな大女優の最新出演作。今度はどんな冒険を私たちに見せてくれるのでしょう。
 …見せてくれるのでしょうか?


プロローグ

 アリスは小さな部屋の中に立っていました。奇妙なお部屋です。高さ50cmほどの小さなドアはあるけど、窓がありません。ドアの向かい側の壁には大きな暖炉と大きな鏡。正面には食器の入った戸棚。部屋の隅にはゴミ箱、冷蔵庫。そして、室内中央にはガラス製の机が据えられていました。
 机の上には一冊の書物が置いてありました。題名は『書物の国の冒険』。どうやらアリスが出演する作品の台本のようです。
「今日は日本語によるお芝居みたいね。この国でお仕事をするのは何度目かしら。前回は不思議の国のパロディー小説に出演したけど、今度はなあに。アニメ? 鏡の国? それともゲーム?」
 アリスは何気なく表紙をめくってみました。すると、全ページが勢いよくめくれ上がり、中から突風が吹き出しました。そうして、舞い上がるトランプ兵よろしく、文章が飛び出すではありませんか。ああおぞましい、まるでふさふさした黒い毛虫の大群!
「何これ! キモチワルイ!」
 バラバラになった文章はアリスの目の前で宙をのたうち回り、互いにくんずほぐれつ絡み合いました。そして元の順序とはてんで違った並び方で整列し、再び本に収まりました。
「あらやだ。ゴチャゴチャになっちゃった。巻末に載っていたはずの『あとがき』の文章が2ページ目にあるなんて!」
 不意に、アリスは奇妙な感覚に包まれました。夢を見るような、モヤモヤした感覚です。
「今まで何度も不思議な体験をしてきたけど、こんなの初めて。私が私じゃないみたい」
 アリスは本をじっと見つめました。
「なんだか、誰かが自分になったみたい…」



「なんだか、自分が誰かになったみたい…」
 あなたは本をじっと見つめました。本の題名は『書物の国の冒険』。アリスが活躍するお話のはずです。しかし、アリスが消えてしまいました。
 本を置いて室内を見回すと、何か様子が違います。見た事のある部屋ですが、さっきまで居た場所とは全然別の場所です。大きなダンロまであります。なんと、そこは今自分が読んでいた本の中の世界だったのです。
 どこからともなく人の声が聞こえてきました。直接心に聞こえるような、不愉快な声です。
「オッス。大塚晩霜だぞっ。」それは作者の声でした。「アリスが主人公の物語をあなたは読んでいた。しかし今、どういうわけだかアリスではなく、あなたが主人公になってしまったみたい。おうおうおう、あなたがアリスになったのかな。あなたはアリス? いいえ、立場が入れ替わったんですよ。【アリスが主役の物語をあなたが読んでいる】のではなく、【あなたが主役の物語をアリスが読んでいる】なのです。そう、あなたは書物の中の世界にとらわれてしまったのです! ギャハハハハハ」
 作者は高らかに馬鹿笑いをしました。一通り気が済むまで笑うと、傲慢な口調で指図し始めました。
「あなたはアリスの代わりに物語を進行させなければいけない。物語を終わらせなければ、この世界からは永久に脱出できない。書物の中に一生取り込まれたままだ。ま、本を閉じれば即座にあなたとアリスの意識は逆転し、あなたは現実世界に還って来られるけど、それは敗北宣言に他ならないということを忘れてくれるなよ。ウヒヒヒヒヒ」
 再び作者は下品な笑い声を発しました。
「あなたはこう思ったんじゃありませんか。自分が主人公になったって、ただ単に読み進めば良いんだろ、お安い御用だ、と。いいや、違うね。この本に書かれていた文章は俺がバラバラにしておいた。さっき見ただろ、毛虫のドンチャン騒ぎ。各段落は無秩序に散らかってしまったのさ。一章から順に読んでいけば良いという、単純な物ではない。あなたはあなたの意志で選択肢を選ばねばならない。数字をたどるんだ。よし、いい機会だ。試しに練習してみよう。2に飛べ」

110


あとがき

 いやー。どうもどうも。作者の大塚晩霜です。おつかれさまでした。
 アクセス直後のあなたは、多分こう思ったはずです。「なんて長い作品なんだ。こんなの読んでられっか」と。でも、物語自体は意外と早く終わったでしょ。主に3つのルートに分かれたゲームブックですから。全てのルートを体験するとなると結構な時間が必要ですけどね。
 一読して解る通りこの作品を書くのは非常に大変だったわけですが、特にゲーム部分の制作に苦労しました。論理の国とダブレットです。あ、ダブレットはプレイしてない人が多いかな。あれは一種の罰ゲームですから、あまりお目に掛かる機会が無いかも知れませんね。涙の海で岸まで泳ぎ、駅でキップを買うと挑戦できます。気になる人は再チャレンジしてみましょう。
 それではお別れの時間です。今回の作品『書物の国の冒険』は楽しんでいただけましたでしょうか。もし楽しく読めたなら、二回目三回目と繰り返しプレイしてみて下さいね。またお会いしましょう。──作品の中で。



「そうだそうだ。簡単だろう。そうやって数字を選んでいくのだ。
 安心しろ。どの道を選んでも詰まることはない。この物語は網目のようにストーリーが拡がっているが、行き止まりは存在しない。不正をしない限りね。
 三つのルートを用意した。不思議の国。鏡の国。そして、ルイス・キャロルの本業である「論理」が配備された迷路。いずれも俺のアレンジが施してあるが、原作に忠実に進めば早く脱出できるだろう。それではごきげんよう…」
・物語を始める→12
・作者を逃がさない。ぶっ殺す→47



「マップ」を…
・末期→175
・湿布→105
・ラップ→89



「もしもし、ネズミさん。こんにちわ」
 ネズミはチラリとあなたを見たが、そっぽを向いて去ろうとする。もしかしたら日本語は通じないのかも知れない。
・フランス語で話しかけてみる→141
・中国語で話しかけてみる→97



 鍵を使うとドアが開いた。でも、小さいドアなので、自分には通れない。なんだか悲しくなってきた。泣きますか?
・はい→93
・いいえ→166



「左京」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→92    西→138
 南→78    北→113



 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「不思議の国に行きたくば泣け。鏡の国に行きたくば暖炉をよじのぼれ」
84



「魔笛」を…
・すてき→79
・詩的→135
・末期→175



 プラットホームに列車が停まった。降りる客は誰もいないし、乗り込む客もあなた一人だった。
 あなたはボックス席に空席を見つけ、そこに腰を掛けた。そうして心の中でほくそ笑んだ。
「これに乗れば、帰れる。意外とちょろい旅だった」
96


10

「NE?S」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→113    西→51
 南→125    北→167


11

 やっぱりやめておこう。
75


12

 あなたは半ば観念した様子で物語の主人公を演じ始めた。
「まずは、この部屋から脱出しなきゃ!」
 部屋の中にある物は…。高さ50cmほどの小さなドア。大きな暖炉。食器の入った戸棚。ガラス製の机。ゴミ箱。冷蔵庫。
45


13

「サック」を…
・殺気→156
・キック→135
・マック→56


14

 あなたはネズミを無視し、やみくもに泳ぎ始めた。波の寄せる方向に、少しずつ少しずつ。すると、なんという幸運だろう、砂浜が見えてきた。
158


15

「came」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→31    西→138
 南→78    北→76


16

 暖炉の上には大きな鏡がある。でも、高くて手が届かない。
45


17

 何を調べようか。(状態:鍵所持。身体のサイズ大)
ドア→    棚→102    ゴミ箱→177
暖炉→72    机→70    冷蔵庫→54


18

 ここで車掌がわめきちらす。
「遅い! もうちょっと少ない回数で変形できるぞ。残念だが、最初からやり直しだ!」
106


19

「きっぷ」を…
・キープ→95
・きっと→98
・マップ→


20

「わざとだ」
「いい度胸してるな。よろしい。とんでもない場所に連れて行ってやるよ」
 辺り一面に、急に霧が立ちこめた。
85


21

 暖炉の上には大きな鏡がある。背が高くなったので手が届く。よじのぼって、さわってみようか。
・はい→178
・いいえ→53


22

 鏡の国に入り、花畑を抜けると、やがて駅に着いた。



23

「ゴクン。」
ビンの中身を飲み干した。あれあれ、身体が小さくなっていく!
153


24

「B?H」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→138    西→76
 南→31    北→78


25

「カール」を…
・カープ→41
・カード→154
・シール→135


26

 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「扉の先は難解な謎だらけ。知力に自信のある者のみ、扉の先に進むべし」
153


27

「シック」を…
・湿布→105
・深紅→46
・マック→56


28

「1・2・A・1・4・3・7・4・11・7・18・11・29」
「1・4・B・2・3・5・7(地球=月)」
「4・1・2・C・8・10・8」
「ABCに入る数字を特定し、A×B×Cを計算せよ」
→「A×B×C」の値の章へ直接ジャンプ


29

 冷蔵庫の中にはケーキが入っていた。食べてみますか?
・はい→133
・・いいえ→109


30

「ゴクン。」
ビンの中身を飲み干した。あれあれ、今度は身体が小さくなっていく!
90


31

「?極」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→167    西→113
 南→125    北→52


32

 息も絶え絶え、どうにか陸地に上がれた。あなたのあとを泳いできた色んな動物たちも次々に這い上がった。みんなビショ濡れだった。
「このままでは風邪を引いてしまう。どうにかして身体を乾かさなきゃ」
 その方法を考えていると、さっきのネズミ&絶滅鳥のドードーがそれぞれ解決策を提案した。
 ネズミ「おいらのドライな話を聴けば乾くよ」
 ドードー「みんなでコーカスレースをしよう」
・ネズミの意見を聴く→136
・ドードーの意見を聴く→120


33

 机の上にはもう何も無い。
153


34

「ランプ」を…
・完膚→160
・散布→135
・ラップ→18


35

 冷蔵庫にはもう何も無い。
90


36

「共産主義」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→165    西→167
 南→31    北→78


37

 暖炉の上には大きな鏡がある。背が高くなったので手が届く。よじのぼって、さわってみようか。
・はい→178
・・いいえ→74


38

 線路に沿って歩き続けたあなたは、やがて駅舎に到着した。どうやら無人駅のようだ。自動販売機でキップが売られている。
・キップを買う→44
・無賃乗車決行!→


39

 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「脱出には3つのルートがある。海、鏡、扉。扉はけわしい近道へ通ずる」
75


40

「狄」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→51    西→157
 南→92    北→104


41

「カープ」を…
・カード→154
・カール→25
・完膚→160


42

 そこは立方体の部屋だった。床の中央に注意書きが刻まれている。
「この先は迷路だよ。部屋がたくさんあります。それぞれ東西南北にドアがあります。床に書かれたヒントを解読して、正しい方角へ進んで下さい。間違った経路を進むと異次元空間に投げ出されてしまいますよ。難易度は非常に高いです。パズルに自信のある人だけ、東に進んで下さい。自信のない人は北へ引き返して下さい」
 なるほど、注意書きの通りだ。部屋には4つのドアがあり、それぞれ「東(East)・西(West)・南(South)・北(North)」と記されている。さて、どっちに進もうか。
 東→58    西→113
 南→125    北→153


43

 机の上にはもう何も無い。
75


44

 小銭を投入し、あなたはキップを買った。(キップ入手。覚えておいて下さい)



45

 何を調べようか。
ドア→124    棚→48    ゴミ箱→111
暖炉→16    机→147    冷蔵庫→159


46

「深紅」を…
・シック→27
・神父→173
・先駆→135


47

「てめーコノヤロウ、生意気だぞ。おまえは書物の中でしか生きられない存在なんだぞ。俺が『あなたは死んだ』って書けば死んじゃうんだぞ。口の聞き方に気をつけろ」
 あくまで傲慢な作者に対し、あなたはこう答えた。
「現実世界に戻ったら、思い切りブチのめしてやるからな。なんなら今すぐに本を閉じてそちらに向かってやってもいいんだぜ…」
 作者の顔色が一変した。
「ひっ、ひぃ! それだけは、それだけは御勘弁!」
 なんて腰抜け野郎だ。
・物語を始める→12
・本を閉じる→85


48

 液体の入ったビンが置いてある。飲んでみますか?
・はい→62
・・いいえ→174


49

 「小さな鍵」を手に入れた。
84


50

 机の上にはもう何も無い。
84


51

「朱雀」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→10    西→143
 南→71    北→132


52

「$」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→63    西→151
 南→82    北→139


53

 やっぱりやめておこう。
67


54

 冷蔵庫にはもう何も無い。
17


55

 棚にはもう何も無い。
80


56

「マック」を…
・シック→27
・マップ→
・マルク→135


57

「B??T?R」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→104    西→31
 南→78    北→138


58

「東西?北」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→138    西→42
 南→10    北→78


59

「なぜ持っている? おまえ、原作通りに話を進めて来ていないな」
 あなたはおとなしく白状した。「その通りです」
「困るんだよなあ。じゃあ、罰としてダブレットをやってもらおうか。うまく出来るまで、先には進めさせないぞ。
130


60

「知らないだけだ」
「そうか。疑って悪かった。じゃあ、ストーリーに戻ってくれ。あなたは今まで『不思議の国』の主人公を務めていたんだが、今や物語は破綻して異次元に迷い込んでいる。これからは『鏡の国』の世界が目の前にひらけていくだろう。まあ頑張ってくれたまえ。台本通りに演じる義務はないのだから」
 あなたは気を取り直し、線路に沿って歩き始めた。
38


61

 あなたのキップは無事に捨てられた。
「うむ、良いだろう。これで通常の物語に戻れるわい」
152


62

「ゴクン」
 ビンの中身を飲み干した。あれあれ、身体が小さくなっていく!
80


63

 まちがったルートを選んでしまったらしい。釣り天井が落ちてきた…。
85


64

「再起」を…
・サイト→69
・殺気→156
・サイケ→135


65

「4」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→78    西→31
 南→138    北→165


66

 鍵を使うとドアが開いた。でも、小さいドアなので、自分には通れない。なんだか悲しくなってきた。泣きますか?
・はい→93
・・いいえ→74


67

 何を調べようか。(状態:身体のサイズ大)
ドア→101    棚→176    ゴミ箱→162
暖炉→21    机→142    冷蔵庫→144


68

「SMT?TFS」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→76    西→165
 南→117    北→71


69

「サイト」を…
・カイト→135
・ライト→18
・ナイト→83


70

 机の上にはもう何も無い。
17


71

「吾妻」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→94    西→107
 南→100    北→51


72

 暖炉の上には大きな鏡がある。背が高くなったので手が届く。よじのぼって、さわってみようか。
・はい→178
・・いいえ→166


73

 ドアは開かない。鍵が掛かっているようだ。小さなドアだけど、身体のサイズはピッタリ。
80


74

 やっぱりやめておこう。
84


75

 何を調べようか。(状態:鍵所持)
ドア→122    棚→129    ゴミ箱→39
暖炉→103    机→43    冷蔵庫→145


76

「NE?S」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→24    西→68
 南→15    北→94


77

「海岸の近くには駅があるはず。そこから列車に乗って帰れるぞ」
 さいわいにも、近くに砂浜が見える。あなたは喜んで泳ぎ出した。
158


78

「白發中」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→52    西→125
 南→113    北→167


79

「すてき」を…
・捨てろ→61


80

 何を調べようか。(状態:身体のサイズ小)
ドア→73    棚→55    ゴミ箱→168
暖炉→121    机→116    冷蔵庫→87


81

「東奔?走」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→31    西→94
 南→138    北→78


82

 まちがったルートを選んでしまったらしい。床がひらき、深い落とし穴に飲まれた…。
85


83

「ナイト」を…
・ライト→18
・サイト→69
・カイト→135


84

 何を調べようか。(状態:鍵所持。身体のサイズ大)
ドア→66    棚→91    ゴミ箱→
暖炉→37    机→50    冷蔵庫→164


85

 おつかれさまでした。ここで終わりです。中途半端ですみません。力いっぱい謝ります。


86

「パクッ」
 ケーキを食べた。あれあれ、身体が大きくなっていく!
67


87

 冷蔵庫の中にはケーキが入っていた。食べてみますか?
・はい→149
・・いいえ→137


88

「?UCCE??」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→167    西→113
 南→104    北→125


89

「ラップ」を…
・キップ→19
・湿布→105
・ランプ→34


90

 何を調べようか。(状態:鍵所持。身体のサイズ小)
ドア→140    棚→172    ゴミ箱→155
暖炉→127    机→134    冷蔵庫→35


91

 棚にはもう何も無い。
84


92

「BC?OFNeNa」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→71    西→
 南→165    北→40


93

 あなたはエンエン泣き始めた。「身体中の水分が目からこぼれ出してしまうんじゃないか」と心配になるほど猛烈に泣いた。涙は止めどなくあふれ、床は水浸しになる。
 でも、悲しむばかりが人生ではない。ピンチのあとのチャンスを喜ぼう。涙の量に反比例して、あなたの身体は縮み始めた。
「しめた。これでドアが通り抜けられるぞ」
 あなたはホッペタをぬぐい、曇った泣き顔を笑顔で晴らした。
146


94

「回文」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→81    西→71
 南→76    北→10


95

「キープ」を…
・カープ→41
・シープ→118
・スープ→131


96

「キップを拝見!」
 すると、車掌が検札にやって来て叫びました。
・キップを持っている→59
・キップを持っていない→152


97

「雪?五個!」
 これは虚構内存在のあなたが知っている唯一の中国語である。意味は「アイスクリーム5個」だ。
 ネズミはギョッとして振り返った。なぜなら、あなたの発音した中国語は、「シッコウンコ」と聞こえたからだ。
「へ、変態!」
 ネズミは大急ぎで逃げてしまった。
・あとを追う→114
・自力で岸を探す→14


98

「きっと」を…
・カット→126
・生糸→148
・嫉妬→171


99

「水路」を…
・捨てろ→61


100

「LM?OP」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→78    西→31
 南→138    北→71


101

 ドアは開かない。鍵が掛かっているようだ。それに、とても小さい。
67


102

 液体の入ったビンが置いてある。飲んでみますか?
・はい→30
・・いいえ→166


103

 暖炉の上には大きな鏡がある。でも、高くて手が届かない。
75


104

「OTTFFSS?」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→28    西→57
 南→40    北→88


105

「湿布」を…
・キップ→19
・神父→173
・ラップ→89


106

 【きっぷ】を【すてろ】に変形して下さい。
19


107

「古今?西」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→71    西→31
 南→78    北→138


108

 28の部屋からジャンプすると、迷路を飛び出す事ができた。類い希なる知性によって活路をひらいたあなたは、みごと、書物の国から現実世界に戻ることができた。
あとがき


109

 やっぱりやめておこう。
153


110

 違う違う。2だよ、2。



111

 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「脱出には3つのルートがある」
45


112

「カイロ」を…
・カイト→163
・黄色→123
・水路→99


113

「卍」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→63    西→151
 南→82    北→139


114

「船が座礁し、沈没しそうになった時は、ネズミの逃げる方向に逃げろ。甲板に出られる」
 あなたは古くからの格言通り、ネズミのあとについて泳いだ。
32


115

「パクッ」
 ケーキを食べた。あれあれ、身体が大きくなっていく!
17


116

 机の上には小さな鍵が置いてあった。しかし、身体が小さくなっているので手が届かない。
80


117

「No.14」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→31    西→78
 南→138    北→68


118

「シープ」を…
・スープ→131
・湿布→105
・神父→173


119

 海を眺める。いい景色だ。小さな部屋の中にいたはずなのに、いつの間にかこの大海原。どこまでも深い青空には白い入道雲が雪山のようにそびえ立ち、太陽が燦々と輝いている。ああ、気持ちが良い。
 爽快な気分をぶち壊すように、水平線から作者が突然顔を出した。
「おいおまえ。本編から逸脱するような行動ばかり取りやがって。アリスの物語を知らないのかよ。それともわざとか。答え次第では、ただじゃおかねえぞ」
知らないだけだ→60
わざとだ→20


120

「コーカスレースとは…」ドードーは話し始めようとした、が…。「説明するのが面倒臭い。続きは本家アリスを読んでよ。大塚晩霜版のアリスは、未完成のままおしまいだ。チャンチャン!」
 何この展開。そりゃないよ。
85


121

 暖炉の上には大きな鏡がある。でも、高くて手が届かない。
80


122

 鍵を使うとドアが開いた。でも、小さいドアなので、自分には通れない。
75


123

「黄色」を…
・カイロ→112
・消えろ→135
・水路→99


124

 ドアは開かない。鍵が掛かっているようだ。それに、とても小さい。
45


125

「¥」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→63    西→151
 南→82    北→139


126

「カット」を…
・カイト→163
・嫉妬→171
・セット→179


127

 暖炉の上には大きな鏡がある。でも、高くて手が届かない。
90


128

 棚にはもう何も無い。
153


129

 液体の入ったビンが置いてある。飲んでみますか?
・はい→23
・いいえ→11


130

(車掌は続ける)
 ダブレットとは何ぞや。ある単語の綴りを1字ずつ変えて行き、目標となる単語になるべく早く変形させる言葉遊びだ。たとえば、『オトコをオンナにしろ』ならば、【オトコ】→【オトナ】→【オンナ】となる。『オトコをオカマ経由でオンナにしろ』ならば、【オトコ】→【オトメ】→【オカメ】→【オカマ】→【オカブ】→【オンブ】→【オンナ】となる。わかったか。わかったな」
 あなたが何とも答えないうちに、車掌はお題を出した。
「キップを捨てろ! なるべく早くだ!」
106


131

「スープ」を…
・キープ→95
・シープ→118
・スーツ→135


132

「373」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→31    西→78
 南→51    北→138


133

「パクッ」
 ケーキを食べた。あれあれ、今度は身体が大きくなっていく!
84


134

 机の上にはもう何も無い。
90


135

 ここで車掌がわめきちらす。
「遅い! もうちょっと少ない回数で変形できるぞ。残念だが、最初からやり直しだ!」
106


136

「よしきた。ちゃんと聴いててね。」
 ネズミは話し始めた。
「これは限りなく虚構に近い実話のようなフィクションで、俺の信ずる所によればハードボイルドノンフィクションである。
 高校のころ死体を洗うバイト(1体1万円)をしていたのだが、そこで一緒に働いていた男で名前を──いやいや、その人の名誉のために名前は伏せよう。吉井というヤツがいた。
 吉井は俺と同い年でデブで俺は痩せていたが俺は吉井より痩せていて吉井は俺より痩せていなかった。暑苦しいデブで寒苦しくはなかったが時折口にするギャグはとてつもなく寒くて苦しかったしなんとなくワキガを思わせる臭さをぷうんとさせていたので寒苦しいと言っても問題はありません。
 彼が言う所によれば彼はその野暮ったい顔に関わらずかなりのワルだそうで、顔は確かに悪かったのですが、そんなにツッパリっぽくないので俺はなんとなくむかついて腹を立てて意図的に頭に来てなんとなしにむかついたわけだ。
 休憩時間に働いている合間にタバコを吸いながら吐いていると吉井は「俺にも1本、1本、ニッポンチャチャチャ」とまた寒い事を言いますので犬に水銀化合物含有豚足を投げ与えるようにタバコをイッポンポン恵んであげますと、奴と書いてキャツと読む奴はタバコに火を点けられずタバコには火が点かなかったので火はタバコに点かなかったのです。一生懸命に吸い口の反対側であるところの先端をあぶりながら一生懸命は誤用だから一所懸命と書きますと、一所懸命に火を点けようとしていたのです。それでまあ、こいつは吸った事無いなと思った俺はむかついてタバコを吸ったら俺は吸った事あるなと思った。
 それから吉井(仮)こと本名吉井優作は相変わらず暴挙を続けるのです。ふかしてはふかしてはイモをふかすかのようなイモぶりを見せつけるのだ。
「俺、中学の時サッカー部だったんだ」
 へー意外と言うか絶対そうは見えないよこのオタンコブタナス野郎百歩譲っても突っ立ってるだけのゴールキーパーだろ!とは言わずにへーとだけ相槌を打っておきます。
「俺、中学の時足速かったんだぜー」
 へー意外と言うか絶対そうは見えないよそれ確実にふかしだろ飽き飽きだよ死にさらせ!とは言わずに「俺、50メートル走6秒9」と偽り無き真実だけを発声してみます。
「俺、6秒5」デブ!
 こういう風に寒いウソばかり言う人の精神状態はどんななのでしょうか? 自分で自分を恥ずかしいと自分は思わない自分がいるのでしょうか?」
 別に服は乾かなかった。カゼを引いて死亡。
85


137

 やっぱりやめておこう。
80


138

「?日本」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→113    西→52
 南→167    北→125


139

まちがったルートを選んでしまったらしい。部屋の中に毒ガスが充満した…。
85


140

 鍵を使うとドアが開いた。小さなドアだが、身体が小さくなったので通れる。
入る→42
入らない→90


141

 しかしあなたはフランス語を知らなかった。知らなかったのだ。いや、現にペラペラだとしても、作者の謀略によって【知らなかった】という事にされた。
「フランス語なら、あたしにまかせて!」
 どこからともなくアリスの声が聞こえてきた。彼女はこの物語を、あなたの冒険譚を、抜け目無く追跡している。
「Ou est ma chatte?」
 この文句はアリスが知っている唯一のフランス語である。意味は「わたしのネコはどこにいますか?」だ。
 ネズミはビックリ仰天し、逃げ去ろうとする。
・あとを追う→114
・自力で岸を探す→14


142

 机の上には小さな鍵が置いてあった。取りますか?
・はい→49
・いいえ→53


143

「そのまんま」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→51    西→138
 南→31    北→78


144

 冷蔵庫にはもう何も無い。
67


145

 冷蔵庫の中にはケーキが入っていた。食べてみますか?
・はい→115
・いいえ→11


146

 ザブン!
 笑顔になったのもつかの間、あなたは足を滑らして水の中に落ちた。塩っ辛い水。さすがは書物の世界である。奇想天外な出来事が次々に起きる。
「どうして急に海に放り出されたのだろう。でも、ここが海なら…」
・海岸の近くには駅があるはず→77
・いや。これは海じゃない→169


147

 机の上には小さな鍵が置いてあった。取りますか?
・はい→150
・いいえ→174


148

「生糸」を…
・カイト→163
・黄色→123
・サイト→69


149

「パクッ」
 ケーキを食べた。あれあれ、身体が大きくなっていく!
67


150

 「小さな鍵」を手に入れた。
75


151

まちがったルートを選んでしまったらしい。壁から槍が飛び出してきた…。
85


152

「どうしてキップを持っていないんだ?」
 車掌は怒り始めました。
(おわび)
 このあと、「望遠鏡・顕微鏡・双眼鏡」の選択肢によって、それぞれ「銀河鉄道・蚊との対話・名前のなくなる森」へと話が発展していく予定でしたが作者の変心により続稿できなくなりました。ここまで読んできていただいたのにガッカリでしょうが、ご了承下さい。本当に申し訳ありません。
85


153

 何を調べようか。(状態:鍵所持。身体のサイズ小)
ドア→161    棚→128    ゴミ箱→26
暖炉→170    机→33    冷蔵庫→29


154

「カード」を…
・カープ→41
・カール→25
・ラード→135


155

 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「扉の先は難解な謎だらけ。知力に自信のある者のみ、扉の先に進むべし」
90


156

「殺気」を
・再起→64
・サック→13
・末期→175


157

「譜面台」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→40    西→125
 南→138    北→31


158

 砂浜にたどり着いたあなたは、海岸沿いに敷設された線路を発見した。この線路に沿って歩けば、きっと駅に着くにだろう。
・線路に沿って歩く→38
・海を眺める→119


159

 冷蔵庫の中にはケーキが入っていた。食べてみますか?
・はい→86
・いいえ→174


160

「完膚」を…
・カープ→41
・神父→173
・ランプ→34


161

 鍵を使うとドアが開いた。小さなドアだが、身体が小さくなったので通れる。
・入る→42
・入らない→153


162

 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「鏡の先には、不思議の国よりも奇妙な世界が待ち受けている」
67


163

「カイト」を…
・カイロ→112
・生糸→148
・ナイト→83


164

 冷蔵庫にはもう何も無い。
84


165

「~a」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→68    西→36
 南→65    北→92


166

 やっぱりやめておこう。
17


167

「〒」と書かれている。どっちに進もうか。
 東→63    西→151
 南→82    北→139


168

 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「脱出には3つのルートがある。海、鏡、扉。海は不思議の国へ」
80


169

「いや。これは海じゃない。これは、自分の涙だ」
 自分の涙で溺れるくらいにあなたは小さくなっていた。岸が見えない。どちらに泳いでいけば良いのだろう。
 と、その時。必死に泳ぐ一匹のネズミがあなたのそばを通った。
・ネズミのあとについていく→114114
・話しかける→
・自力で岸を探す→14


170

 暖炉の上には大きな鏡がある。でも、高くて手が届かない。
153


171

「嫉妬」を…
・カット→126
・シック→27
・湿布→105


172

 棚にはもう何も無い。
90


173

「神父」を…
・散布→135
・深紅→46
・湿布→105


174

 やっぱりやめておこう。
45


175

「末期」を…
・殺気→156
・マック→56
・魔笛→


176

 棚にはもう何も無い。
67


177

 ゴミ箱の中には紙クズが入っていた。なになに…。
「不思議の国に行きたくば泣け。奇妙の国に行きたくば暖炉をよじのぼれ。論理の国に行きたくばビンを飲めほせ」
17


178

 鏡には自分の姿が映っていた。なのに、鏡の表面にさわろうとしたら、向こう側に落っこちてしまった!
22


179

「セット」を…
・嫉妬→171
・カット→126
・きっと→98


お詫び

 超中途半端な作品ですみません。実はこの作品、2006年の春先に書いたものです。本来ならばルイス・キャロル『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の両作品を股に掛けた読者参加型の壮大なメタフィクションに仕上げるつもりだったのです。しかし、いざ書き始めてみると、オリジナルのアリスを自分風にアレンジするのがどうも気乗りせず、ゲーム色の強い部分を仕上げただけで未完となっていました。
 完全に気持ちが切れてしまった今、どうせもう当初の思惑通りに仕上げられりゃしませんので、ここにこうして惨たらしい残滓を公開してしまいます。せめてゲームだけお楽しみ下さい。



この記事に対するコメント

■ 
がんばってケータイから挑戦したのに
(何通りも頑張ったのに)途中で終わってる~!
これは本当に惜しい。
気が乗ったらまた書いてください。
「鏡の国」だけでも・・・!
【2007/11/29 08:46】 URL | arty. #-


■ めんぼくありません
 この作品がもし十全に完成していたら相当な傑作になっていただろうと自分でも思いますが、「言うは易く行なうは難し」の通り、あまりに壮大すぎる(=執筆は無謀な)企画でした。
 一ヶ月で『文体練習』を執筆した時のようなテンションを保てていたら、ひょっとしたら…とも思いますが、「口では大阪城も建つ」と言いますし、やっぱり無理だったでしょう。

「気が乗ったらまた書いてください」とのご希望ですが、ご覧の通りのゲームブック方式ですので、新しく書いた段落を本文に組み込むのは容易なことではございません。ですからこの作品は、この中途半端な現状のままで、最終稿とさせていただきます。本当に申し訳ない。
【2007/11/29 21:14】 URL | 大塚晩霜 #-



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