とりぶみ
実験小説の書評&実践
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    大塚晩霜
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【書評】佐藤雅彦『Fが通過します』   (2014/08/16)
Fが通過しますFが通過します
(2006/08/01)
佐藤 雅彦

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「何この商品画像。背表紙しか写ってないじゃん」
 そうですね。ちょっとおかしいですね。背表紙しか写ってないというのは。
 しかしこれは背表紙ではありません。表紙です。外函の表紙なのです。
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【小説】トリストラムに恋をして   (2014/08/10)
 『トリストラム・シャンディ』にインスパイアされた長編小説。長いです。原稿用紙300枚ほどあります。
 第27章~第35章には、当ブログ随一の人気記事(=ゴキブリホイホイ)「先生にほめられる良い読書感想文の書き方&例文は使用盗用コピペ自由です」を丸々含みます。2010年作。
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【書評】ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』   (2014/08/08)
トリストラム・シャンディ 上 (岩波文庫 赤 212-1)トリストラム・シャンディ 上 (岩波文庫 赤 212-1)
(1969/08/16)
ロレンス・スターン

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トリストラム・シャンディ 中 (岩波文庫 赤 212-2)トリストラム・シャンディ 中 (岩波文庫 赤 212-2)
(1969/09/16)
ロレンス・スターン

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トリストラム・シャンディ 下 (岩波文庫 赤 212-3)トリストラム・シャンディ 下 (岩波文庫 赤 212-3)
(1969/10/16)
ロレンス・スターン

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 暑中お見舞い申し上げます。パソコン弔いに伴いしばらく更新を停止していましたが、お待たせしました、お久しぶりの書評です。前回うっかり予告してしまった通り『トリストラム・シャンディ』を取り上げます。
 「奇書」と言えば日本では夢野久作『ドグラ・マグラ』ですが、世界的にはこの『トリストラム・シャンディ』こそが奇書の中の奇書、キング・オブ・奇書。建築で言えばサグラダファミリア、フルーツで言えばドリアンに匹敵する存在です。
 私がこの作品を読んだのはもう10年ほど昔になります。いっちょ書評をかますなら再読するのが筋なんでしょうけど、お米を研いだり歯磨きをしたりYoutubeを観たりソリティアで時間を潰したり色々と忙しいので、記憶を頼りに御託を並べさせていただきます。誤りがあるかも知れませんのであらかじめご了承ください。
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おばあちゃんのためのサッカー入門   (2014/08/01)
 サッカーは大変ポピュラーなスポーツである。競技人口が世界で2番めに多いスポーツであり、地上のさまざまな場所で親しまれている。
 サッカーは2チームによる対抗戦。1チームの人数は通常11人である。
「子どもは何人欲しい?」「サッカーチームが作れるくらい」という場合は、子どもを11人作りたいという意味。 ただし、大きな大会になると23人が出場する。
 サッカーの公式試合はピッチと呼ばれる芝生の上で行なわれる。 ピッチは白線によって長方形で仕切られ、その中に入れるのは1チーム11人までである。 12人目の選手はベンチを尻で温めたり、スタンドで跳び跳ねたり叫んだりして暇をつぶす。12人目の選手には善と悪があり、善は「サポーター」と呼ばれ、応援をしたりブブゼラを鳴らしたりゴミを拾ったりセックスしたりする。 悪は「フーリガン」と呼ばれ、破壊活動を行なったり爆竹を鳴らしたり脱法ハーブをやったりセックスしたりする。大きな大会が催された直後は渋谷交差点が打ち上げ会場となり、ユニフォームを着た12人目の選手たちが数百人単位で熱狂的なレイヴを繰り広げる。 日本3大DJ(DJホンダ・DJポリス・童女)のうちの1人、DJポリス氏がダンスフロアを熱く盛り上げる。
 選手たちはそれぞれ自力でグラウンドに集合し、試合開始の合図であるホイッスルを主審が鳴らすまでぼんやり待つ。大きなスタジアムでは迷子になる可能性があるため、土地勘のある子どもたちに手をつないでもらい、グラウンドまで連れて行ってもらう。
 試合開始時刻が迫ると主審がディーラーとなってコイントスによる賭場が開かれる。コインの裏表を当てた選手が最初にボールという器具(後述)を蹴る権利を獲得する。 主審が笛を吹くと試合開始。ボールを蹴ってもいいし、その辺を走り回ってはしゃいでも良い。
 試合中は嗜好品などを自由に摂取できなくなる。おしっこをしたくなった場合は他の選手と交代するか、ハーフタイムという休憩時間まで我慢しなければならない。早退したくなった場合は先生に申請して保健室で体温を計り、37℃以上なら帰宅できる。(ただし45分程度トイレを我慢できない人は教室でおもらしをする小学生であり、成人男性であれば泌尿器科での診察をおすすめする。 どうしても我慢できない場合は、エッチなことを考えておちんちんの先っちょにつながる管を尿道から輸精管にシフトする裏技がある。)試合中はなるべくサッカーに関係のない行動は慎まねばならないが、これは公式戦のルールであり、非公式戦においてはこの限りではない。 また、12人目の選手にはルールは課せられない。発煙筒を焚いたり放火したりポケモンのレベルを上げたり途中で飽きて帰宅しても構わない。
 公式戦は前半45分と後半45分に分かれ、その間にハーフタイムがある。 ハーフタイム中は給料が発生しないものの、作戦会議・水分補給・シャワー・瞑想・喫煙・麻雀・サークルモッシュ・史跡観光・宛名書きの内職などをして自由に過ごすことができる。
 試合終了後、互いの健闘を讃え合ってユニフォーム交換が行なわれる。 卒業式の第2ボタン乗りなので人気選手をめぐってチームメートと殴り合いになることもしょっちゅう。 予約や握手券などは必要ないため稀に徹夜組が現れることもある。

 身体のうち、サッカーにおいて最も使用頻度の高い部位は足である。主として走ることに用いられる。ボールを蹴る手段で使われることもある。
 足の次によく使われるのは手である。スローイン、パンチング、手刀ディフェンス、神の右手などの技がある。
 手の次に使われるのは頭である。ヘディング、ダイビングヘッド、ダイビングヘッドバッド、顔面ブロックなどの技に使用されるほか、何かを考える際にも使われる。
 12人目の選手が一番使うのは喉である。12人目の選手は1人とは限らず、2人いたり、10人いたり、時に数万人の規模となることもある。 ピンク・フロイドのアルバム『おせっかい』の収録曲を合唱する習性がある。
 「ボール」はサッカーに彩りを添える球状の器具。アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する兵器と外貌が似ていることからこの名がある。 公式戦で使用されるボールはサイズや素材が定められているが、非公式戦においてはバレーボールや球形のゴミを用いることもある。 サッカー(エアサッカーを除く)でほぼ 必ず用いられる器具はボールだけであるが、気取った試合では以下の器具も使用される。主に主審が独占的に所有する。──ゴール ・イエローカード ・レッドカード ・コイン ・ホイッスル ・メモ帳 ・喪章 ・旗
 ボールは足や膝で蹴るか、頭で突くか、胸を貸す。ただし通常のプレー中に手で持つのは「ハンド」という反則行為。 しかし古来、手の使用は禁じられていなかった。ルールが改定されたのはある少年がボールを抱えて独走した事件以後。 そしてそれはラグビーとなった。 (サッカーの子どもはラグビーの他に、アメフト・セパタクロー・フットサル・アクションサッカー・サブティオ・フリースタイルフットボール(リフティング)・蹴鞠・ハンドボール・水球・キックターゲット・ウイニングイレブン・10円玉サッカーなどがある。)
 この「ボール」を、一人の選手が連続して蹴ることを「ドリブル」、 他の選手に譲渡することを「パス」、 ゴールに向けて蹴り込むことを「シュート」と呼び、 よってたかって一人の選手を連続して蹴ることを「リンチ」と呼ぶ。
 ボールが敵軍のゴールに入ると自軍に1得点、自軍のゴールに入ると敵軍の1得点。前後半通じてより多くの点を取ったチームの勝ちとなる。 ゴールに入れる際はシュートして入れるのが普通だが、風に吹かれたり鳥がつついたり地震で転がって入った場合も点数になる。 なお、プロ同士による公式戦での最大点差は149対0である(2002年マダガスカル) 。
 どちらかのチームに点数が入った場合、全ての選手は一旦互いの陣地に戻らねばならない。そうしてボールを中央に設置し直す。点を取られたチームがボールに触って試合再開。 もしいつまでも試合を再開しようとしなければ主審が叱りつける。
 主審は気に食わない選手や反則行為に対してレッドカード(帰れ)かイエローカード(次やったら許さねえ)を示すことが出来る。 イエローカードは累積2枚でレッドカードに、レッドカードは累積2枚で白いお皿と交換できる。主要な反則行為は以下の通り。 暴力行為 ・暴言(放送禁止用語やセクハラ発言を含む)・審判に対する敵対的な態度 ・ストリーキング ・薬物摂取 ・万引き ・大麻の栽培 ・朝顔の観察日記。
 また、試合は以下の事象によってしばしば中断される。──ピッチの外にボールが出る・ファウル・犬やストリーカーの乱入・地震・落雷・積雪・豪雨・火災・暴風・暑い・寒い・ピッチの下から遺跡が出土・コンサート会場設営・主審が野暮用を思い出して帰宅。
 ピッチの外にボールが出た場合、最後にボールを触った選手のせいとなり、チームが連帯責任を負う。 ボールがタッチラインを割った場合は悪くないチームの誰かがスローインをして試合を再開し、しかるべきのち割れた場所を修復する。ボールがゴールラインを越えた場合(以下「暴飲」と略す)は、自陣と敵陣で対応が少し異なる。 自陣で敵軍選手が暴飲した場合、自軍のGKがゴールキックを行なって試合再開。 自陣で自軍選手が暴飲した場合、敵軍の誰かがコーナーキックを行なって試合再開。
 ファウルと呼ばれる反則行為が発生した場合、試合は主審の笛により一時中断される。悲しい思いをした方のチームがフリーキックをして試合再開。 ファウルがひどく悪質な場合は、イエローカード・レッドカード・職務質問・書類送検・収監・その場で射殺などの措置が講じられる。
 自陣ペナルティーエリア内で自軍選手がファウルをした場合、相手側にペナルティーキック(PK)が与えられる。 蹴る人1名とGK1名のタイマン勝負だが、蹴る人が断然有利なので、シュートを外すとがっかりされる。一方、GKがシュートを防いだ場合はみんなからほめられる。
 試合は雨天決行だが、あまりにも雨量が多いと雨宿りのために中断する。雨の勢いが衰えない場合はそのまま没収試合となる。 雪は腰の高さまで積もらなければ続行。 熱中症が心配される日は両軍とも90分間室内で待機し、最後にジャンケンかコイントスで勝敗を決する。
 サッカーは野球などに比べて単純明快なルールである。球を蹴って相手のゴールに入れればいい。 ただ、ひとつだけやたら難しいルールがある。「オフサイド」である。この神秘のルールについてしっかり把握していない者は「にわか」と呼ばれ蔑まれる。(「にわか」とはW杯の季節などに自然発生する害虫のことで、農作物を食い荒らしたり土壌を汚染したりする)
 なぜオフサイドという制度が存在するのか。それは試合を面白くするためである。
 たとえば、チームAの選手が3人、チームBのゴール前に固まって鼻をほじっているとする。他のみんなはボール周辺で頑張ってる。あ、チームAのDFがボール取った。ロングパス。GK1人対3人。ゴール!
 この戦術がまかりとおったら面白くないのでオフサイドというルールが定められている。その仕組みだが──ところで、なぜこのサッカー入門を執筆しているか、その理由をまだ話していませんでしたな。実はこの「サッカー入門」は、私の祖母のために書いている。
「晩霜。わーるドかッぷっての盛り上がってっけど、どうゆうこったらばあちゃにわかりやすく教えてくんね?」
 そう、わーるドかッぷ。4年に1度、サッカーの祭典「W杯」が開催される(「W杯」は難読語だが「ワールドカップ」と読む)。W杯は国の威信を賭けた代理戦争であり、自殺点などしでかそうものなら自国に帰ったあと戦犯として処刑される。また、オリンピック以上の集客が望めるため、各国の誘致合戦も権謀術数が渦巻く政治闘争である。
 W杯の開催の前に、まず、大陸ごとに予選が行われる。地域によって出場枠が定められており、成績上位の国が本選に進む。 本選出場32チームはくじ引きによって8つのグループに分けられる。各グループは総当たりのリーグ戦を行ない、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。
 2014年現在ブラジルで行なわれている大会はW杯本選のリーグ戦であり、日本も出場している。がんばれ日本! 強豪がひしめくグループは「死の組」と呼ばれる。班分けで日本はグループCに。ここは死の組ではないので決勝トーナメント進出が期待されています。 いました。

 ここまでで、サッカーについて基本的なことを網羅的に書いてきた。なるべくわかりやすく書いたつもりである。ただ、もっともっとわかりやすく書く必要があるかも知れない。その試みとして、サッカーを、祖母の好きな相撲と比較してみせよう。
 サッカーと相撲の違い。「土俵の大きさ」「力士の人数」「靴の有無」「まわしの形状」「塩をまかない」「制限時間」「サッカーは土俵の外に出ても負けじゃない」「サッカーは足の裏以外が土俵に着いても良い」
 サッカーと相撲の共通点。「行司がいる」「遠藤がいる」。
 相撲には1種類のポジションしかないが、サッカーには11種類のポジションがある。
① GK(ゴール・キーパー)
② MF(ミッド・フィルダー)
③ DF(ディ・フェンダー)
④ FW(フロント・ウイング)
⑤ 司令塔
⑥ ボランチ
⑦ リベロ
⑧ スイーパー
⑨ ストライカー
⑩ キャッチャー
⑪ など
 GKだけは、サッカーの神様(*)の許しにより、いつでも手を使うことが出来る。 チラベルトのように腕力で以て相手ゴールをおびやかす選手もいるが、大抵は敵のシュートを捕るためにゴール前に突っ立っていることが多い。 (*ペレ)
 MFは中盤を固める選手。攻めて良し、守って良し、何もしなくても良し。
 DFは守備。敵の攻撃を防いだり弾き返したり食らったり、前線の選手をケアルで回復したりする。
 FWは最も華のあるポジションであり、野球でいえばピッチャー、バンドでいえばヴォーカル。足の速い選手が努める。 主に攻撃的な役割を担う。シュートをしたり、頭突きをしたり、カズダンスを踊ったり、「バモラー!」と叫んだり、フランスに忘れ物(魂)をしたりする。
 守備側の技には、タックル・スライディング・ブロック・ガード・マーク・カット・壁(人間の盾)・チャージ・オーバーラップ・カウンター・コークスクリュー・ムカチャッカファイヤー・ペンタゴン・インターセプトがある。
 攻撃側の技には、ボレーシュート・ダイビングシュート・オーバーヘッドキック・バイシクルシュート・スコーピオンシュート・トーキック・スルーパス・クロス・ワンツー・ロブ・クライフターン・フェンダーローズ・ベルボトムがある。
 12番目の選手の技には、応援・「ガンガンいこうぜ」・「みんながんばれ」・「めいれいさせろ」・「じゅもんをつかうな」・鳴り物・大漁旗・焚き火・ケンカ・ピッチ乱入・ゴミ拾いがある。
 サッカー初心者に向けて話すべきことも少なくなってきた。これ以上になると「4-3-3」だの「ダブルボランチ」だの「オフサイドトラップ」だの、戦術的な話題になるので割愛しよう。私としては現代サッカーのストラテジーについて大いに語りたいところだが、これは祖母のためのサッカー入門であるから、仕方がない。

 最後に。あなたがよりサッカーを好きになるよう、贔屓の選手を見つけて応援することをお勧めする。自分だけのあの人を探しても良いし、「地元が一緒だから」という漠然とした理由でプロ選手の追っかけをしても良い。世界的スター選手に対して執拗なストーキング行為を繰り返しても良いだろう。
 相撲界に横綱が君臨するように、プロのサッカー選手の中には「スター」と呼ばれる稀有な存在がいる。彼らは生ける伝説であり、目で見るギリシャ神話である。100億円の移籍金をもらったり、10億円の豪邸を建てたり、1億円のCM出演料を要求したり、1000万円の飲み代を支払ったり、100万円でカツラを新調したり、10万円分の宝くじを買ったり、1万円札でケツを拭いたり、1000円分のうまい棒を1日で平らげたり、100円玉でお賽銭を投げたり、50円を福祉施設に寄付したり、10円玉で10円玉サッカーをしたりする。
 その中でも特に有名なスター選手を3人ご紹介しよう。
【知っておきたいスター選手①】ペレ。サッカーの神様。得意技はバイシクルシュート(自転車に乗りながらボールを蹴る)・神の右手(ハンド)・くいあらためよ(混乱攻撃)。チェーンソーでバラバラになる。ED。
【知っておきたいスター選手②】ベッカム。愛称「ベッカム様」。当時は「レオ様(ディカプリオ)」「ヨン様(ペ)」「将軍様(キム)」と並ぶ様四天王の一人だった。得意技はヘアスタイルチェンジ。特にソフトモヒカンは一世を風靡した。 スパイスガールズと結婚。
【知っておきたいスター選手③】バ(Ba)。登録名が最も短い選手。ヤンチャな風貌でサッカー界のデニス・ロッドマンと呼ばれた。アフリカ出身だが、フランス代表となりジダンの後釜を努めた。
サッカー選手は星の数ほどいるが、ペレとベッカムとバさえ知っていればだいたい大丈夫。 あと、コロンビアのGKであるイギータも抑えておきたいところ。これにて、本サッカー講座は終了です。

 Q「本日はありがとうございました。大変わかりやすかったです。大塚さん、熱心なサッカーファンなんですね。どこのチームのサポーターですか?また、推しメンは誰ですか?」
 A「今さらですが、サッカーに興味ありません」
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